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日本の水産業が活発に?IoT技術を取り入れた養殖とは!

日々のあれこれ  |
水産業でのIoT

さまざまな業界で導入されているIoT技術は、水産業においても例外ではありません。実際、IoT技術を養殖に取り入れたら、どのような影響があるのでしょうか?

IoT技術とは?

まずは、IoT技術について確認していきましょう。IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略。名前の通り、「モノ」がインターネットに接続し、情報を届けることです。

例えば、IoT技術が搭載されているエアコン。スマホの指示を受け取って温度を下げたり、逆に室温等の情報をスマホに送ったり…。これらのやり取りは、インターネットを利用しています。このようにIoT技術は、生活に使う家電はもちろん、農業や医療などの幅広い産業で活用されています。
さまざまな革新が生まれるIT業界の中でも、注目を浴びている技術の1つといえるでしょう。

IoTを養殖で導入するとどうなる?

IoTを導入することで、作業の簡易化やより精度の高い確認作業などができるようになりました。ここでは、導入によってどのようなメリットが得られたのかお伝えします。

センサー搭載のブイ

海に浮かぶ浮標、ブイにセンサーを搭載することで、海の情報を集めることができます。情報を集めることは、生産や効率のために重要。養殖に限らずですが、一次産業には経験と勘を求められる場面が多いですよね。波を読み、風を読み…。
自然を相手に情報を集めながら、適切なお世話を続けます。一人前になるには、何年も修業を積まなければいけません。せっかく跡継ぎ候補が現れたとしても、育つ前に辞めてしまう場合もあります。

しかし、センサーでデータを数値化することで、経験や勘に頼らずとも情報を得ることができます。水温や気温はもちろん、波の強さ、水の濁り具合、海面の高さなど…。しかも、これらのデータはインターネットを介するので、スマホやパソコンで簡単にチェックができます。また、特定の一人だけではなく、水産の関係者全員に共有することも容易でしょう。

水中ドローン

皆さんご存じのドローン。人間は簡単に行くことができないような場所に向かわせて、情報を集めることができます。空中を飛ぶドローンが有名ですが、水中用のドローンも存在します。

例えば、定置網や養殖網。養殖の魚が逃がさないようにしつつ、外敵の捕食を守る重要な網です。しかし、経年劣化で破損してしまうことがあるので、定期的に確認しなければいけません。そこで活用できるのが、水中ドローン。ドローンを網の近くに移動すれば、水中のカメラで容易に観察することが可能です。

今までよりも素早く、そして安全に網を確認できるようになるでしょう。また、感染する病気にかかってしまった個体がいないか、チェックすることにも使用できます。このようなメリットがあるため、すでに導入している養殖場や漁場も多いようです。

スマート自動給餌機

スマート自動給餌機とは、水産養殖の餌やりをAIとIoTで遠隔操作や最適化する装置です。ウミトロン株式会社が開発した「UMITRON CELL」は、スマートフォンから魚の動画を見て餌やりができ、AIが餌量やスピードを自動で調節します。
労働負荷や無駄になっている餌の削減が可能となり、環境に配慮した養殖業へ貢献しています。スマート自動給餌機は、日本だけでなく海外でも導入されており、サステナブルな水産経営モデルの創出に期待されている機械です。

IoTを養殖で導入した実例~選

では具体的にIoTを使用した養殖には、どのような実例があるのでしょうか。
ここでは、代表的な実例を5つご紹介します。

ヒラメ養殖

日本の株式会社ユニマットプレシジョンは、IoTを使ってヒラメの養殖を行っています。同社は、水温や水質などのデータをクラウドに送信し、AIが最適な餌や薬の量を計算して自動で投与するシステムを開発しました。これにより、ヒラメの成長率が約20%向上し、死亡率が約30%減少しました。

サケ養殖

ノルウェーのサーモンファームでは、IoTを使ってサケの養殖を行っています。
システムの導入により、水中カメラやセンサーを使って、サケの体重や健康状態や群れの動きなどを監視し、育成状況がどうなっているのか常に把握できるようになりまし。
このことで、サケの成長率が約15%向上し、死亡率が約25%減少につながりました。

エビ養殖

ベトナムのティエンザン省では、エビの養殖にIoTを使用しています。
導入されているシステムは、バイオガスで動く燃料電池と連携して、グリーン電力を活用する循環型のエビ養殖システムです。
IoT技術を利用することで、水質や機器の状態をリアルタイムで監視・制御が可能になりました。また、マイクロバブルディフューザーを使って水中の酸素濃度を増加できたため、エビの生存率や成長率といった養殖効率の向上につながっています。

牡蠣スマート養殖プロジェクト牡蠣スマート養殖プロジェクトとは、日本の広島県で行われているIoTを活用した養殖技術の開発プロジェクトです。このプロジェクトでは、牡蠣の養殖場にセンサーやカメラを設置し、水温や塩分濃度、潮の流れなどの環境データや牡蠣の成長状況をリアルタイムでモニタリングしています。

養殖業者は最適な収穫時期や養殖管理方法を判断できるようになり、品質や収量の向上につながるメリットがあります。また、IoTデータを活用して牡蠣のブランド化や販売促進も行われています。牡蠣スマート養殖プロジェクトは、IoTが養殖業に革新をもたらす一例として注目されているプロジェクトです。

まとめ

IoT技術の発達や導入により、幅広い産業が活発になると期待されています。積極的に技術を取り入れることで、日本の水産業も勢いを取り戻していくかもしれません。

IoT技術を学んで水産業を活発に

IoT技術について深く学びたい方は、 IT技術が身に付く大学「国際工科専門職大学」の授業をご参考ください。「AI・IoT・ロボット」を学ぶためのカリキュラムを確認することができます。コース体験も可能なので、最先端の技術を学びたい方はぜひ参加してみてください。

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